ヒトも含めて多細胞生物の細胞はプログラムされた自殺をします。
アポトーシスという現象です。
これは異常な現象ではなく、個体の状態をより良くするための積極的な自殺です。
多くの場合、がん細胞などが発生してもこの現象によって死滅します。
何らかの理由でアポトーシスが起こらずに無制限に増殖すると、病気としての「がん」になるようです。
がん細胞にアポトーシスを促すことができれば、がん治癒の可能性が飛躍的に高まると予想され、研究が進んでいます。
アポトーシスの研究によって、細胞が死ぬことの意味、ひいては個体が死ぬことの意味(特に進化を考えるうえで)がわかってきました。
死と表裏を成すのは「生」ではなく「性」であるとの考えもあります。
「性」の出現が個体の自然死を生み出したとする説です。
異常な細胞・不要になった細胞はアポトーシスを起こして自殺するわけですが、正常な細胞は無限に分裂できるのでしょうか?
ヒトの体細胞を培養すると染色体の末端部分にある「テロメア」という構造(物質?遺伝子?)が短くなります。
テロメア短縮が起きると分裂が止まり「細胞老化」という状態になります。
普通、テロメラーゼという酵素がテロメアの短縮を防ぐ(伸張までする?)らしいのですが、ヒトはこのテロメラーゼが発現しないかもしくは活性が弱いんだそうです。
つまりヒトの体細胞分裂には回数の限界があるということです。
これが老化の原因だと考える人もいます。
wikipediaによれば、
「個体老化とテロメア短縮による細胞老化との関連性は現段階では明らかではない」
とされていますが、クローン羊の「ドリー」や老化した動物でテロメア短縮が報告されていて、テロメア短縮による細胞の老化が、個体の老化の原因となることが示唆されているそうです。
テロメアが短くならないようにする(むしろ長く伸ばす)ことができれば老化はある程度抑えられるかも!
ここまでわかっていれば、おそらく数十年後には老化防止の治療が確立されるでしょう。
私は300歳まで生きるつもりです(^^)