「天国も死後の世界もない」、英物理学者ホーキング氏が断言
https://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-21136220110517
という記事の最後に以下の文があります。
ーー2010年の著書「The Grand Design(原題)」では宇宙の創造に神の力は必要ないとの主張を展開し、宗教界から批判を浴びている。
宇宙の創造に神の力は必要ない。
私もそう思います。
では、何が必要か。
つい最近(2007年?)、宇宙空間に存在する暗黒物質(ダークマター)の泡構造が明らかになりました。
暗黒物質は光学的に観測できないけれど宇宙空間に膨大な量をもって存在すると考えられている物質です。
どのくらいあるのかというと、宇宙全体の22%だそうです。
これだけなら、ああそうですか、という感じですが、もうひとつよくわかっていないモノがあって、それは暗黒エネルギー(ダークエネルギー)と呼ばれています。
宇宙全体の物質エネルギーのうち、なんと74%を暗黒エネルギーが占めていて、暗黒物質が22%ととなると、私たちがよく知っている元素などの物質は宇宙全体のたった4%でしかないんです。
20世紀後半の研究により、ビッグバン宇宙論に間違いがみつかりました。
ビッグバン宇宙論で説明されるような「創造」劇は、存在が予想されていた暗黒物質ナシでは説明がつかないことがわかったのです。
私たちの知っている物質だけでは星も銀河も創られない。
暗黒物質による強力な重力の作用がなければ、ガスや塵が集まってやがて星になり、星が集まって銀河となり...ということが起こりえないということらしいです。
一方で、私たちがよく知っている物質(銀河などの光学的に観測できる天体など)が宇宙空間でどのように分布しているかがわかってきました。
アインシュタイン以前は空間は(宇宙空間も含めて)どの方向にも均等で一様(どこを選んでも広い範囲で見れば密度は一定)と考えられていました。
それが最近の観測で、銀河集まっているところと何もないところがあることがわかってきたんです。
そして、この泡構造の研究の過程でも暗黒物質の存在が予想され、冒頭で書いたとおり暗黒物質の分布が泡構造であることが明らかになりました。
観測による事実ですが、暗黒物質は光学的には見えませんので、その強力な重力による空間の変化を観測したものです。
その泡構造は、先に紹介した宇宙の大規模構造としての泡の分布とピタリと一致するんです。
暗黒物質がお互いの重力により泡構造を造り、そのように分布した暗黒物質の重力によって銀河が集まる。
だから泡構造が一致するということらしいです。
暗黒物質ナシでは星も銀河も創られない。
宇宙の構造も暗黒物質によって形作られている。
まさに、この宇宙は暗黒物質によって創られているというわけです。