2012年05月21日。
日本の広い範囲で日食が観測できます。
日本の陸地で金環日食や皆既日食が観測できるのは25年ぶりだそうで、次回は2030年(北海道)、2035年(中部や関東の一部)だそうです。
2011年6月の「月食」は、地球から月を見たときに、地球の後ろに太陽があって、本来太陽光で満月に見えるはずの月が、地球の影に入ることで欠けて見える現象です。
この時の地球の影は月に対して十分大きいので、地球上のどこでも観測できます。
(月が地平線より上にある地域に限定されますが)
一方、日食は...
地球と太陽の間に月があって、月が太陽を隠す現象です。
皆既日食の場合、月と太陽がピッタリと重なります。
これは太陽と月の「見かけの大きさ」がほぼ同じであることで起きます。
太陽の直径は月の約400倍で、地球からの距離も約400倍であるため、見かけ上同じ大きさに見えるわけです。
地球にもっともなじみのある天体の見かけ上の大きさが一致している。
これは神の仕業?
と思いたくなりますね。
無神論の私でもこのような事実に関しては偶然で片付けていいものか考えてしまいます。
しかし、問題はこの絶妙な位置・大きさのバランスそのものが奇跡的なのではないということです。
月は現在も年に数cmほど地球から遠ざかっています。
ずっと先の未来では月はもっと小さいし、過去においては月はもっと大きかったわけです。
生物が進化して天体観測するほどの文明ができ、その文明が存在している今、月と太陽のバランスがそうなっていることが奇跡的なわけです。
宇宙規模の時間で考えれば人類の天体観測の歴史などほんの一瞬のできごとです。
宇宙人は存在するか?
という問いに「絶対に存在しない」という人は少ないと思います。
しかし、存在しているだろう宇宙人に出会えるかというと、それは難しいと私は思っています。
46億年の地球の歴史の中で、今よりも高度な文明が存在した痕跡はありません。
そして今のこの文明はせいぜい過去1万年、この先1万年続いたとしても合計2万年。
140億年ほどの宇宙の歴史を一日(24時間)とすると、2万年というのは0.1秒ほどです。
高度に発達した地球外文明があったとしても、私たちと同時期に存在している可能性はとても低くなるでしょう。
残念ながら出会えないと思います。
国立天文台の金環日食の特集ページ
https://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20120521/