ボーダー理論の解説の続きが進まない中、また気になる機種がでましたので期待値を計算してみました。
計算結果はシミュレータを作ってチェックしました。
もし間違いを見つけたらコメントいただけると大変嬉しいです。
結果を先に書いておきます。
平均連チャン数(注1) | 4.47 回 |
平均総ラウンド数(注2) | 38.83 ラウンド |
期待出玉(注3) | 4659.18 玉 |
等価ボーダー | 17.15 rpk |
(注1)祝言滞在率17.5%(シミュレーション値)と仮定した場合の当たり1回の平均ラウンド数8.68で38.83を割ったもの
(注2)結果をシミュレーションで確認していますが、この数値は計算値
(注3)右打ち中の増減なし、アタッカーこぼれ・オーバー入賞なしの出玉
右打ち滞在が長いと想定されます(右が 1/130 )ので右打ち中の増減は重要になりそうです。
右打ち中の死に玉、アタッカー周りのこぼれの程度次第ですが、打ってみたいです。
もし増やせる要素があれば尚更です。
大当たり確率 | 1/319.6 | |
確変中確率 | 1/130 | |
時短回数 | 初当たり時200回 / 右打ち中100回 | |
アタッカー賞球 | 10カウント13個(2R/10R) | |
振り分け(ヘソ特図1) | 10R 通常(時短200回) | 40% |
2R 確変 | 20% | |
10R 確変 | 35% | |
10R 祝言(次回確変当たり確定) | 5% | |
振り分け(右特図1) | 10R 通常(時短100回) | 40% |
2R 確変 | 20% | |
10R 確変 | 20% | |
10R 祝言(次回確変当たり確定) | 20% | |
振り分け(右特図2) | 10R 確変 | 75% |
10R 祝言(次回確変当たり確定) | 25% |
めぞん一刻5は2回ループとなる「祝言」があるため少し特殊です。
緑の「右特図1」、オレンジの「10R祝言」は複数ありますがそれぞれ同じ状態です。後半の遷移は省略しています。
計算できるのか?と心配になるほど複雑に見えますが大丈夫です。
時短200回時引き戻し率 | \(1-(1-\dfrac{1}{319.6})^{200}\) | 0.4657 |
時短100回時引き戻し率 | \(1-(1-\dfrac{1}{319.6})^{100}\) | 0.2690 |
1R出玉 | \(10\times(13-1)\) | 120 |
初当たりで4通りに分かれます。それぞれの起こる確率に得られる平均ラウンド数をかけて4つ合計すれば「初当たり時期待総ラウンド数 \(E_R\)」となります。
が、それは最後の最後です。
まずは「状態」の種類と内容を確認しておきましょう。
偶々4つになりましたが初当たり時の振り分けの4種とは異なることに注意してください。
A 10R通常→時短200回(終了 or 右特図1)
B 10R通常→時短100回(終了 or 右特図1)
C 右特図1(10R通常→時短100回 or 2R/10R確変→右特図1)
D 10R祝言(10R確変→右特図1 or 10R祝言)
Aが起きた時の「以降の」平均獲得ラウンド数をそのままAと書くことにします。
\[
\begin{align}
A =& 0.4657\times C + (1-0.4657) \times 0\\
\end{align}
\]
前半は200回時短の引き戻し率0.4657と引き戻した時(=状態C)の平均獲得ラウンド数Cをかけています。
後半の(1-0.4657)は引き戻さなかった時ですが獲得ラウンドがありませんのでゼロをかけています。
そのような計算を表にまとめると次のようになります。
起こる確率 | ラウンド数 | ||||
A | 0.4657 | C | \(0.4657 \times C\) | ||
1-0.4657 | 0 | ||||
B | 0.2690 | C | \(0.2690 \times C\) | ||
1-0.2690 | 0 | ||||
C | 0.4 | 10R + B | \(4R + 0.4 \times B\) | \(=8.4R \\+ 0.4 \times B \\+ 0.4 \times C \\+ 0.2 \times D\) | \(=14R \\+ \dfrac{2}{3} \times B \\+ \dfrac{1}{3} \times D \) |
0.2 | 2R + C | \(0.4R + 0.2 \times C\) | |||
0.2 | 10R + C | \(2R + 0.2 \times C\) | |||
0.2 | 10R + D | \(2R + 0.2 \times D\) | |||
D | 0.75 | 10R + C | \(7.5R+0.75 \times C\) | \(=10R \\+ 0.75 \times C \\+ 0.25 \times D\) | \(=\dfrac{40}{3} R + C \) |
0.25 | 10R + D | \(2.5R+0.25 \times D\) |
CとDの最後の式の導出は次のようにします。
Dの場合、途中までで、
\[
\begin{align}
D =& 10R + 0.75 \times C + 0.25 \times D \\
\end{align}
\]
となっています。
\(0.25 \times D\)を左辺に移項して
\[
\begin{align}
0.75 \times D =& 10R + 0.75 \times C \\
D =& \dfrac{40}{3}R + C \\
\end{align}
\]
Cも同様に右辺側のCの項を左辺に移行して整理すると
\[
\begin{align}
C =& 14R + \dfrac{2}{3} \times B + \dfrac{1}{3} \times D \\
\end{align}
\]
となります。
BとDはCで表されているので、Cの式に代入します。 \[ \begin{align} C =& 14R + \dfrac{2}{3} \times B + \dfrac{1}{3} \times D \\ =& 14R + \dfrac{2}{3} \times (0.2690 \times C) + \dfrac{1}{3} \times (\dfrac{40}{3}R + C) \\ =& 14R + \dfrac{40}{9}R+(\dfrac{2}{3} \times 0.2690+\dfrac{1}{3}) \times C\\ (1-\dfrac{2}{3} \times 0.2690-\dfrac{1}{3})\times C=& 14R + \dfrac{40}{9}R\\ 0.4873\times C=& 18.444R\\\\ C=& 37.849R\\ \end{align} \] このCをA,B,Dに代入して \[ \begin{align} A =& 0.4657 \times C \\ =& 0.4657 \times 37.849R \\ =& 17.63R\\\\ B =& 0.269 \times C \\ =& 0.269 \times 37.849R \\ =& 10.18R\\\\ D =& \dfrac{40}{3}R + C \\ =& \dfrac{40}{3}R + 37.849R \\ =& 51.18R\\ \end{align} \] これらを基に初当たり時期待総ラウンド数 \(E_R\) を計算すると \[ \begin{align} E_R=& 0.4 \times( 10R + A)+ 0.2 \times( 2R + C)+ 0.35 \times( 10R + C) + 0.05 \times( 10R + D)\\ =& 8.4R + 0.4 \times A+ 0.55 \times C+ 0.05 \times D\\ =& 8.4R + 0.4 \times 17.63R+ 0.55 \times 37.849R+ 0.05 \times 51.18R\\\\ =& 38.83R\\ \end{align} \]
で、冒頭の表のとおり、1ラウンド120玉とすれば期待出玉は 4,659玉、この場合の等価ボーダーは17.15rpkとなります。
シミュレーション結果は次のとおり。