第13回 パチンコ機種別お得度調査

今回は久しぶりにパチンコの話題です。
新機種が続々登場するパチンコ。その中でも特に種類の多いCR機について、いったいどの機種がお得かを調べようというものです。

2003.11追記
冒頭から言い訳で嫌になりますが、この内容は今のパチンコにおいてはあまり参考になりません(T-T) 扱っている機種が古すぎるし、無制限などの営業形態も考慮してません。あくまでも確率のお勉強と思ってご覧下さい。いつか時代に合うように改編したいと考えてはおります...

1.期待値

ギャンブルを分析する手法として、「期待値」というのがあります。
期待値とは文字どおり、「投資に対して期待できるリターン」のことで、「平均リターン」といってもいいでしょう。
リターンに大小があったり、その確率がそれぞれ違ったりするので、実際に計算するのは面倒ですが、一般的には、

(リターン)×(リターンが得られる確率)

というシンプルなものです。この期待値を機種毎に計算して、お得な機種を狙い打ちしよう!(^^;

2.計算の概略

パチンコの場合、期待値を大きく左右するのが「釘」であることは皆さんご承知のとおりです。ご承知でない方はリンクページにあるパチンコ関連の他のHPでパチンコの勉強をしましょう(^^;
しかし今回は機種毎の比較をするので、釘はもちろん関係ありません。当然ボーダーも関係ありません。逆に、期待値を計算することでボーダーが導かれる訳です。
さて、期待値の計算方法ですが、パチンコというのは1回の大当たりで得られる平均球数が、機種毎に決まっています。これを「平均出玉」と呼びましょう。
また、確率変動への突入率や継続率、継続回数なども機種毎に決まっているため、1回大当たりを得たとき、平均すると何回継続するかという「初当たり時、期待大当たり回数」というのが計算できます。この2つをかけた、
平均出玉」×「初当たり時、期待大当たり回数
が平均の「リターン」です。これに「大当たり確率」をかければ、期待値「1回転毎の期待出玉」になるわけです。これを機種毎に比較します。

3.機種の分類

さて、計算の前に機種を分類しましょう。機種によって計算の仕方が違うからです。下の表を見て下さい。

名称確変突入・継続率継続回数おまけ平均出玉大当たり確率
リミッタなし CRモンスターハウス 1/2 100回転 2100 1/367
CR大工の源さん 1/3 100回転 2300 1/369.5 1/404.5 1/438.5
リミッタ9 CRFビックパワフルFX 1/4 なし 2300 1/331
CRFビックパワフルEX 1/3 なし 2300 1/398
リミッタ5 CRミリオンスロット 1/2 なし 2300 1/321.5 1/339.667 1/359.75
CR華観月Z 1/2 なし 2100 1/337
CRラッキートマトZ 1/2 なし 2300 1/359

ちょっと古い機種が多いようですが、気にしないで下さい(^^;
私がよく勝負する機種と、リクエストがあったものを対象にしました。
それでは、表にある7機種について「期待値」を計算します。

4.初当たり時、期待大当たり回数の計算

求める期待値は、「1回転毎の期待出玉」のことで、それは、

「平均出玉」×「初当たり時、期待大当たり回数」×「大当たり確率」

で計算できます。このうち「平均出玉」と「大当たり確率」は上の表にあるように、既に解っていますので、「初当たり時、期待大当たり回数」を求めれば後は簡単です。

(1)CRモンスターハウス
これは私がこの半年ほどメインに勝負している機種です。数学らしい計算ができるのはこれだけです(^^; 他の機種は地道に数えることになりそうです(前回に続いて...疲れる...公開が遅れた原因です。やる気がなくなるんです(^^;)
気をとりなおして計算しましょう(^^;
モンスターハウスは確率変動突入・継続率2分の1で、リミッタなしです。つまり無限に継続する可能性を秘めているわけです(^^; それを含めた期待大当たり回数を求めます。確変を○、ノーマルを×で表すと、

×確率1/2大当たり回数1
○×確率1/22大当たり回数2
○○×確率1/23大当たり回数3
○○○×確率1/24大当たり回数4
○○○○×確率1/25大当たり回数5
○・・○×確率1/2n大当たり回数n

ですから求める期待大当たり回数をNとすると、

N=(1/2×1)+(1/22×2)+(1/23×3)+…

見た目を簡単にするため、1/2をrと書いて、nまでの和をMと書くと、

N=lim(n→∞)M=lim(n→∞)(r+2r2+…+nrn)

となります。ここで技巧的ですが、Mにrをかけてみると、

M×r=r2+2r3+…+nrn+1

とrの指数がひとつずつ増えます(当たり前ですね(^^;)。並べると、

  M=r+2r2+3r3+…+nrn
M×r=  r2+2r3+…+(n-1)rn+nrn+1

上から下をひいてみましょう。

M−M×r=(1−r)M=(r+r2+r3+…+rn)−nrn+1

右辺のカッコ内をSとして、先ほどと同様にSにrをかけたものと並べて書くと(そろそろいやになってきました? もう少しつきあってください(^^;)、

  S=r+r2+r3+…+rn
S×r=  r2+r3+…+rn+rn+1

またまた同様に上から下をひくと、

S−S×r=(1−r)S=r−rn+1=r(1-rn)

よって、

S=r(1-rn)÷(1−r)

これでSが出ましたので、M−M×rのカッコ内に戻して、

M−M×r=(1−r)M=r(1-rn)÷(1−r)−nrn+1

両辺を(1−r)で割って、

M=r(1-rn)÷(1−r)2−nrn+1÷(1−r)

0<r<1なら、n→∞のとき、rn→0、nrn+1→0
ですから、

N=lim(n→∞)M=r÷(1−r)2

rに1/2を代入すると、

N=(1/2)÷(1−1/2)2=2

となります。やっと出来ました(^^; でも、オマケの100回転があるので、もう一仕事です。
オマケができるのは、最初の当たりで確変をひいたときで、その確率は1/2。オマケの100回中に当たる確率は、1から100回外れる確率を引いて、

1-(366/367)100≒0.2388

ですので、両者をかけた、

1/2×0.2388≒0.1194

が、オマケ当たりを1回引ける確率です。当たれば、N(=2)箱期待でき、さらにそこでまたオマケができると...ということで、n回のオマケに期待できる大当たり回数Lnは、0.1194をrと書くと、

Ln=(r+r2+…+rn)×N

となり、カッコ内は、先ほどのSと同じ形ですので、Sを代入して、

Ln=(r(1-rn)÷(1-r))×N

rは確率の積ですので、0<r<1。ですから、

n→∞のとき、rn→0
∴L=lim(n→∞)Ln=(r/(1-r))×N

で、オマケ以前の期待回数Nを加えると、

L+N=(1+r/(1-r))×N=N/(1-r)

となり、N=2、r=0.1194を代入すると、

L+N=2/(1-0.1194)
   =2/0.8806
   ≒2.271

これが、モンスターハウスの「初当たり時、期待大当たり回数」となります。
モンスターハウスでオマケをいれて3連チャンしたら、それは平均以上ということです。「3箱で終わっちゃった〜」と嘆かないようにしましょう(^^;

(2)CRミリオンスロット他(5回リミッタ付きの3機種)
大工の源さん、ビッグパワフル2機種は後にして、最も簡単で、機種も多いこのタイプ。大当たり確率などはもちろん違いますが、「初当たり時、期待大当たり回数」は同じです。計算してみましょう。
このタイプは、5回のリミッタ付きですので、6回以上の連チャンはありません。先ほどと同様に、確変を○、ノーマルを×で表すと、

×確率1/2大当たり回数1
○×確率1/22大当たり回数2
○○×確率1/23大当たり回数3
○○○×確率1/24大当たり回数4
○○○○×確率1/24大当たり回数5

の5通りしかありません。確率と大当たり回数をかけて、5通り分を加えると、

N=(1/2×1)+(1/22×2)+(1/23×3)+(1/24×4)+(1/24×5)
 =1/2+1/2+3/8+1/4+5/16
 =1.9375

となります。これで終わりです(^^;
5回連チャンの確率が1/24なのは、最後の1回は確率変動にはならずに、必ず(確変か否かの抽選をせずに)ノーマルが出るからです。

(3)CRFビックパワフルFX
 いよいよ難関に挑みますが、長くなってしまったので、ページを改めます。

次へ
twitterはじめました。
先頭に戻る