第3回 当選確率と試行回数

当選確率(p)があらかじめわかっているゲームの場合、何回(n)投資したらどれくらい当たるのかを考えてみます。
n回目までに少なくとも1回当選する確率をp(n)とすると、

p(n)=1−(1−p)

となります。
一回の投資ではずれる確率は

1−p

ですから、それがn回続く確率は

(1−p)

です。
これはつまり、n回投資して一回も当たらない確率のことですから、1からこれを引けば求める確率p(n)になるわけです。

1.p=1/10の場合

p(n)p(n)
10.10000 90.61258
20.19000 100.65132
30.27100 150.79411
40.34390 200.87842
50.40951 400.98522
60.46856 600.99820
70.52170 800.99978
80.56953 1000.99997

結果をみて、どう思われますか?
直感的には10回やれば一回は当たりそうな気がしますが、n=10のときの確率はたかだか65%です。
パチンコで大当たりの確率が400分の1だからって、400回まわせば....と思ってたひといませんか?
それでは、400分の1の場合もみてみましょう。

2.p=1/400の場合

p(n)p(n)
10.0025 4000.6326
100.0247 5000.7139
200.0488 6000.7773
400.0953 7000.8266
800.1815 8000.8650
1000.2214 9000.8949
2000.3938 10000.9182
3000.5281 20000.9933

やはり、400回まわしても63%程度でしかありません。
(甘デジ(1/100)の場合はこちら

3.考察

10分の1を10回で65%、400分の1を400回で63%、確率が近いと思いませんか?
何か固定の値に収束しているのでしょうか?
計算して確かめてみましょう。

n=1/pのときp(n)は、

fig0301

で、

fig0302 fig0303

ここで、

fig0304 fig0305

であり、当選確率1/nのゲームにn回投資すると、nが大きければ大きいほど
p(n)は63.21%に近づくことがわかります(eは自然対数の底)。

こんなところにeがでてくるなんて、数学って美しい!

1996 DEM.
2014.02.05 加筆修正
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