今回は前回に引き続き、確率の計算方法をナンバーズを題材に解説します。
今回の題材はミニで未だ出ていない数字です。
第270回までに出ていない数字は「01」「46」「49」「53」「78」の5つです。
100分の1の確率のミニとしては、270回も抽選して出てない数字が5つもあったらおかしい?
さあ、調べてみましょう。
前回にならって問題を数学的に簡潔にしましょう。
複数回の抽選結果による数字の出方を「全く出ない」か「少なくとも一回は出る」かに分類します。問題では「全く出ない」数字が5つとなってますが、このとき残りの95個の数字は「少なくとも1回は出て」いるはずです。
この問題で気をつけなければならないのは、5個の結果だけでなく他の95個についても「少なくとも1回は出る」確率を考慮しなければならないことです。そうしないと5個であって「それ以上でない」ことが保証されません。
手順としては、
となります。この手順bを忘れてしまうと、6つ以上の数字が「全く出ない」ケースを含んでしまうので正しくない訳です。
では手順どおり計算してみましょう。
手順aから順に計算してみましょう。
ある数字が1回の抽選で出ない確率は、
ですから、270回続けて出ない確率は、
です( ≒ はニアリーイコール。「ほぼ」とか「約」と思って下さい)。
この現象(数学では「事象」といいます)が5つの数字において同時に起こる確率aは、
次に、bを計算します。ある数字が270回の抽選で少なくとも1回は出る確率は、
これは、前回も使った方法ですが「少なくとも1回出る」確率を求めるためには、「全く出ない」確率を求めて1(=100%)から引けば良かったんですね。
さて、これが95個の数字において同時に起こる確率bは、
そして、a、bが同時に起こる(270回の抽選である特定の5つの数字が全く出なくて、他の95個の数字が少なくとも1回は出る)確率cは、
これで、cまでできました。次はdですが、少し説明しましょう。
組み合わせの数を計算するのはやや面倒ですので、こちらで説明します。
知ってる人は次の4に進んで下さい。
さて、本題の続きです。100個の数字から5個を選ぶ選び方dは、
ですね。これで、材料がそろいました。
確率cで起こる事象がd通りあるので、求める確率はc×dです。
さて、問題の確率は14.256%です。
まあ、ときどき起こり得るといったところでしょうか。
では出ない数字が4つや6つの場合はどのくらいの確率でしょう。
下のグラフを見て下さい。
出ない数字が3個から10個の確率を合計すると、約98%になります(グラフで色の薄い部分。また、1から100まで合計すれば当然100%)。つまりほとんどのケースで3〜10個の出ない数字があるわけです。
今回も、別に珍しくないという結果になってしまいました。逆に全ての数字が少なくとも1回は出る確率は、0.105%と滅多に起こらないことがわかります。
もちろん、出てない5つの数字が今後最も出やすいなんてことは、絶対にありませんので、ご注意を...
これで第7回の内容は終わりです。
次回はナンバーズの抽選300回を記念して300回の出目を検証したいと思っています…と、ある方にお話ししたのですが、第300回の抽選は10月ですので、それまでに何回か別の題材を考えます。