今回はネタの準備不足のため、講座にいただいた質問へのお応えを掲載します。超手抜きですがご容赦下さい(^^;
内容は麻雀の数学的考察に関する私見です。また、回答のなかで何げなく「同じ配パイ同じヤマに出会うことはまずない」と書きましたが、後半でその確率計算にトライします。
Q.麻雀は、ギャンブルの中では、どのような位置づけにあると考えますか?
A.まずは講座第1回で登場したギャンブルとの比較から。
こうして書いていても、うまくまとまりませんね。論点を絞りましょう。
(1)偶然性と勝敗
ナンバーズ・在来宝くじは、当たるか否か(勝つか負けるか)ほとんど偶然まかせ
(買い方によって、多少の差は出ますが)。
パチンコも当たるか否かは100%偶然まかせですが、勝つか負けるかは技量(知識)によって差が出ます(例えば同じ200回転で当たりを引いたとしても、そこに至るまでの投資額の差が技量の差であり、勝ち負けに直結します)。
競馬は上の3つに比べて偶然まかせの度合いが低いと言えるでしょう。極論すれば強い馬が勝つ訳ですし、その馬を探しあてることもある程度は可能でしょう。
麻雀の場合、この偶然まかせの度合いが競馬に似ていると思います。
例えば外馬(自分は打たないで、誰が勝つかを賭ける)を考えると、強い人にのれば勝つ確率は高いでしょうし、誰が強いかを見極める力量が必要です。しかし半荘1回では強い人が勝つとは限らない。
競馬は常に半荘勝負なわけです(ただ、麻雀ほど運に左右されませんが)。
麻雀は、短期戦では競馬に似ていて、長期戦ではパチンコに似ているように思います。
(2)胴元と敵
しかし、麻雀には胴元ではなく敵がいます。
そのため戦況に応じて戦術を決めなければならなりません。
この戦術選びが技量そのもので、他のギャンブルにはないものです。
麻雀には常に最善の一手があるとする人(達?)がいますが、常に一手ではなく、2〜3種類の正解があると考えるならうなづけます。こんなに選択肢の多いゲームも他にはなかなかないでしょう。
さて、胴元なしで敵がいるということは、少なくとも一人は勝ち、少なくとも一人は負ける訳です。つまり、競馬やパチンコは技量が上がらない限り安定して勝つことはできませんが、麻雀は自分より弱い相手とのみやれば、ある程度安定して勝てます。
しかしこれではたぶん技量は上がりません。うーん、やっぱり麻雀は奥が深い。
(3)私見
数あるギャンブルの中で、私は麻雀が一番好きです。
ただし、「稼ごう!」とするなら競馬だと思っています(注:1997年当時はそう思ってました(^^;)。
気の合った仲間とビールでも飲んで、バカな話をしながら打つ麻雀は最高です。
学生のときは毎日のように打ってました。麻雀が終わらなくて受けなかった試験もたくさんあります。おかげで見事に留年しましたが後悔はしていません。(^^;
ただ、同レベルの仲間とぬるま湯のような麻雀ばかり打ってましたので、なかなかうまくなりせん。
賭けなければ燃えないので賭けますが、自分が勝つということは誰かが負けるわけですから、あまり高レートでは(仲間とは)打ちたくありません。
何度かフリーで打ちましたが、今一つ楽しくないですね。常連さんと親しくなればいいんでしょうが、そうなるときっと情も入って「稼ぐ」ことに専念できないでしょう。それならいつもの仲間と打ってる方がいいやと...
その点競馬はいいですよ〜。誰にも迷惑はかけないし、勝負は数分でつきますし、実際トータルプラスになっているのは競馬ぐらいです。パチンコも勝ってますが、何しろ勝つのに時間がかかるし、勝つ額も限度があります(注:1997年当時は確かにそうでした(^^;)。
Q.麻雀を単独で数学的(確率的)に考察すると、どのような見解が得られると思いますか?
A.麻雀は確率で論じることができそうでできません。
不確定要素が多すぎるからです。
スタート時の形が決まっているチェスや将棋と違って、同じ配パイ同じヤマに出会うことはまずないでしょう。(この確率を計算したくなってきた!)
麻雀において確率を知ることは大切だと思いますが、それは今から打とうとしている一手を選択する上での参考程度であって、確率論を駆使しても強い打ち手にはなれないでしょう。
それよりも、
が重要でしょう(特に数学的な立場から見れば)。
例えば天和や四暗刻の確率を求めても勝ち負けには無意味でしょう。
個々の局面において数学的(確率的)に考察することは意味があるし可能だと思いますが、一般論として考察するのは無理があると私は思います。
さて、いよいよ同一配牌に出会う確率を計算します。
この確率の計算は「配牌はいったい何種類あるのか」を数えることにもなります。また、ちょっと面白いことにも気づきましたので、お楽しみに(^^;
(1)同一配牌の確率の定義
まずは、「同一配牌の確率」を定義します。
これがあやふやだと、後で困りますので。
直感的 な定義 | 過去において経験済みの配牌に再度出会う確率 |
今回の 定義A | 週2回、4半荘/回を50年続けた場合(計2万荘。半荘1回で10局として20万局)に、その全ての配牌のウチ同一のものが、少なくとも1組ある確率 |
今回の 定義B | 過去に相異なるX種類の配牌を経験している人が、そのウチの1つと同一の配牌を今得る確率 |
(2)準備
本題の計算に入る前にウォーミングアップをします。
まず、麻雀牌は34種類の牌が4枚ずつで全部で136枚あるわけですが、全ての牌が区別可能(例えば同じ一万でも一万a、一万b、一万c、一万dなどと、区別できる)
とした場合の配牌の総数Mを計算してみます。
この計算は楽なのですが、実際は一万はどの一万も同じであるところが本題の面倒なところなのです。
さて、136枚の中から任意に13枚(子の場合)を選ぶ選び方を求めれば良いので、
と、ものすごい数になります。
この数がどのくらい凄いかというと、生まれてからずっと1秒に1回ずつ配牌をとり続けるとしても、4億兆回の配牌をとるには百億年以上かかります(笑)
本題の場合はもっと少なくなります。
次に、まったく同じ牌ヤマに出会う確率を計算してみます。(定義はいいかげんですが、「1÷牌ヤマの種類の総数」をその確率とします)
これは一万はどれも同じで、区別しない(正しい)確率として計算できます。
相異なる136枚を1列に並べる並べ方は、講座の第7回で説明したとおり、136!通りで、
と計算できますが、今回は同じものが4枚ずつあってそれを区別しません。
例えば、ある牌ヤマがあったとき、一万4枚の場所を相互に並べ替える並べ方は4!通りですから、それが34種類あるので、一つの並べ方につき、
の見た目同一の並べ方があるわけです。
よって、求める牌ヤマの種類の総数Yは、136!を2434で割って、
となります。これは前述の百億年の比ではありません。
年末ジャンボの1等の当選確率が1千万(=107)本に3本ですから、「1枚買って当たる」ということが28回続けて起こる確率と同等です(^^;
この28回というのは、
として得られます。
さて、前置きが長くなってしまったので、本題はページを改めます。
さぁ、いったい配牌は何種類ある?